屋敷の主
食事も終盤を迎えた。
ジェイスの両親が席を立つ。
リシェナとジェイスも会釈し、今晩はお開きといった雰囲気だった。
ジェイスの母・リセシーがリシェナに近づく。さりげなく耳打ちした。
「あなたはジェイスの初めての女性よ。今晩はあの人から離れないようにね」
クスッと少女のように笑うリセシーを見ながら、よく理解せずにリシェナは「はい」と言った。
ジェイスは怪訝そうにリセシーを見たが、リセシーはニヤリッと笑ってマンタンと去っていった。