屋敷の主

ジェイスが口を開いた。手を眼帯に添えながら。
「これ、あなたはずっと言わないが、気になっただろうと察します」

リシェナは眼帯を見る。
「私はその眼帯も、魅力的だと思います…」

俯き顔を赤らめるリシェナに、ジェイスは冷静に言った。

「傷を見ても、同じことを言ってくれるかな?」
リシェナの顎を持ち上げ、目を合わせた。

眼帯をバッと外す。

リシェナは傷を見た。

しかし、見つめるだけだ。

「醜いでしょう?俺が」
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