屋敷の主

「…ジェイス様?ご機嫌よろしくないですか?」
リシェナは心配そうにジェイスを見る。

ジェイスは何も言わず、眼帯を付け直した。

そしてリシェナの腕を引っ張り、抱き寄せた。

「あなたって人は…」

リシェナは離れようとジタバタするが、ジェイスのたくましい腕の中から出られない。
顔がどんどん上気する。重ねて酔いも回ってきてしまい、リシェナは少しずつ眠くなっていった。
ジェイスの熱い胸板に耳を当て、トクントクンと心臓の音を聞いた。
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