彼の瞳はご用心!
「ほら、行くよ」
彩花に急がされてわたしは机の中から
教科書を捜しあさり始める。
「あれ~。持ってきたつもりなんだけど」
わたしは一回中身を全部出して言った。
「もうみんな行っちゃうよ!」
彩花が急ぎ足に言った。
「待って、すぐ行くから」
ノート、教科書と順々にかきあさっていく。
「もしかして、さっき忘れてきた?」
「えッ・・・」
理科のとき・・・?
わたしは早くその場から出て行きたくて
足早になっていた。
ペンケースをまず持って、ノートに教科書もで・・・。
次の授業が移動だったから
序でに行こうと考えていたから・・・。
「あーッ!!」
わたしは勢いよく立ち上がった。
「・・・やっぱり?」
「・・・ごめん。彩花、先行ってて」
わたしは慌て気味にいった。
「わかった!」
そういってわたしたちはその場を離れた。