君のいる世界
「莉沙が作り笑いじゃなくて笑ったぁぁぁぁ!!!!」
いきなり抱きついてくる彩音ちゃんに困惑してしまう。
「えっ?」
「莉沙なかなか本当には笑わなかったから!」
宇野くんも嬉しそうに笑っている。
なかなか状況を飲み込めないでいる私。
「はぁ…。お前が作り笑い以外で笑ったから2人は喜んでんの。とくにこいつ」
そう言って彩音ちゃんを指差す。
まだ抱きついたまま離れない彩音ちゃん。
「作り笑い…」
バレてたなんて思わなかった。
「莉沙さぁ私たちのこと信じてないっていうか、一歩線引いてるっていうか…」
ようやく離れた彩音ちゃんが寂しそうに私を見る。
「なんか寂しかったんだぁ」
そう言ってもう1度私を抱きしめた。
バレてて、それでもみんなは仲良くしてくれてたんだって思うと涙がでそうになった。