君のいる世界


「ねぇ莉沙ちゃん!莉沙ちゃんも彩音って呼んでね♪」
青木さんが私に笑いかけてくれた。
それがとても嬉しかった。


「うん。彩音ちゃん、よろしくね♪」
私は久しぶりに自然に笑うことができた。


「あっ!!先生きたね」彩音ちゃんが前を指す。宇野くんは席に着き、篠原くんは自分の席まで戻って行った。


「皆さん、おはようございます。今日から1年2組の担任になりました、宮川遥[みやがわはるか]です。1年間よろしくね!」
若くて可愛らしい先生。

「若いね♪」
彩音ちゃんが後ろを向いて私に嬉しそうに笑う。

「そうだね!」


周りの男子は「「かわぃ~!!」」って声を揃えて言っている。
先生は聞こえたのか少し笑って「ありがとう!」って受け答えていた。


(慣れてるのかな?可愛いし)
と思いながら見ていた。

「ねぇ、宮川先生ってあしらいかた上手くない?」
急に宇野くんが面白そうに笑いながら言ってきた。


「慣れてるんじゃない?」
思っていたことを言ってまた前を向く。


それから始業式に行き、終わると今日はそのまま終わりなので彩音ちゃんと駅まで一緒に帰った。



< 8 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop