時間は流れているんだね
「ついた…。」

そう言って準が足を止めたのはまだ出来たばかりの駅前にあるマンションだった。

「ここは…?」

「俺の家。」

準は案外あっさりと言った。

私は突然の事に頭がおかしくなりそうだった。

男の人の部屋に入るのなんて…幼稚園以来だよ!!

私がいろいろ考えているうちに準の部屋の前に到着していた。

なんか準のペースに巻き込まれているような…?

私はそんなことを疑問に思いながらもついて行った。
「どうぞ。」

「おじゃまします。」

すごく緊張している。

コンパの会場以上に…。

「そこ座って待ってて。」

私は言われるがままにソファーに腰をおろした。

あっ…準の付けてる香水の香りがする。


私は目の前のガラスのテーブルの上に乗っている空色の香水を手にとった。


いい香り……。どこの香水だろ…?


見たことないなあ…。


私は香水を手に持ったまま部屋を見回した。


広いリビングにはソファーとテーブルとテレビがあるだけで他には何も置いてない。すごくシンプルな部屋。


寝室は別にあるみたいだし……。

男の人の部屋ってこんなに片付いてるんだ……。

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