時間は流れているんだね
お姉ちゃんと並んで歩いた。お姉ちゃんはぼーっとしている。


「お姉ちゃん?どうかしたの?」


「えっ?何でもないよ!

それより夢が準と出るってメール見たとき驚いたよ。準って人あんまり話さないくて少し怖いしさ。」


怖い…?
お姉ちゃんたちは準のことそんなふうに見てたんだ……。


「準は怖くないよ?


優しい声してるし優しい瞳してる!!」


私は思わず声を張り上げていた。お姉ちゃんは目を見開いている。


「夢…?どうしたの?

準のこと呼び捨てしてるし…。」


「何でもないよ!!」


私だって聞きたいよ。
でも準のこと悪く言われるのがすごく嫌なんだもん…。


お姉ちゃんは突然足を止めた。

「お姉ちゃん…?どうしたの?」


私は不思議に思い声をかけた。


「もしかしてさ…夢。

準のこと好きになったの?」

「えっ──…?」


私が準のこと好き…?


お姉ちゃんの言葉が頭の中を渦巻いた。


「分からないの…。」


今はそれしか言えない。


答えが見つからない。


私は後ろ手で準から渡された紙を握りしめた。
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