時間は流れているんだね
私は握っていた便箋を離してネックレスを握りしめた。



空色のハート形のネックレス…。



空色…それは正谷と私が好きな色…。



そういえば私の好きな色聞かれたのって正谷が死ぬ前日だったな…。



このために聞いたんだね。


私はまた便箋を手に取った。すると裏にもまだ続きがあった…。



《理香!!俺の最初で最後のプレゼント気に入ってくれたか?
俺さ女にプレゼントなんてあげたこと無かったからすごく悩んだんだぜ?
気に入ってくれるといいな…。


ひとつ言わないといけないことがある…俺さ…実は理香が俺のこと好きなの前に伊藤から聞いて知ってたんだ。両想いなのにさ。俺なんで告白しなかったんだろ…?今、手紙という形でしか伝えられなくてごめんな。
こんな俺のことを許して下さい。

でも本当に理香のこと好きだった。それだけは信じてほしい。


もしこの手紙を見た日に俺のことまだ好きで居てくれるなら…ありがとう。


そして、さよなら。



理香には涙は似合わないから笑っていてほしいから、幸せになって下さい。



俺の分まで高校生活楽しんで下さい。



南正谷より》



正谷…。



私さ…



いきなり笑顔になるのは無理だけど…



ちゃんと笑顔に戻るからね?



私、正谷を好きになってよかったよ。2人でデートしたりすることはできなかったけど…ちゃんと正谷と過ごした日々があるから。



絶対忘れない。



大好きだよ正谷。



ちゃんと正谷の分まで真っ直ぐ生きて見せるよ。



でもさ…たまには振り返ってもいいよね?



あの頃の思い出をよみがえらせてもいいよね?



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