時間は流れているんだね
「遅刻する──!!」



私は中学校まで続く坂道を駆け降りている。すると私の後ろの方から駆け降りてくる人がいた。



「おっ!!!夢じゃんおはよ──!!」



朝からテンション高いなあ…。遅刻しそうなのに。あっ…こいつは毎日だっけ…?


「おはよ─。楓。」



この能天気遅刻ばかは真中楓(マナカ カエデ)私の幼なじみだ。楓とは今までクラスが離れたこともなく腐れ縁がいまだに続いている。



しかも志望校まで一緒…。一瞬ストーカーかと思ったくらいだ。



「なあ…夢。」



「何よ!?」



「俺、先行くな…。」



楓は私に向かって微笑んだ。そして走るスピードを上げた。



「ちょっ……!?楓!?


楓の裏切り者─────!!!」


私はその後チャイムと同時に教室に駆け込み間に合った。
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