時間は流れているんだね
「どうぞ。」



「おじゃまします。」



相変わらず準の部屋は物が少なく片付いている。


私なんか…部屋やばいのに…。


私は自分の部屋の状態を思い出して小さくため息をはいた。



そしてまたソファーに座った。準はまたキッチンに行ったみたいだ。私は香水をもう一度眺めた。窓から差し込む夕日に香水の空色がキラリと煌めいた。



「綺麗…。」



思わず呟いた。その時突然後ろから声がした。



「そんなに気に入った?」



私は驚いて危うく香水を落としそうになった。



「あの……ごめんなさい。」


準がまた私の横に座った。そしてその手にはまた紅茶の入ったカップが…。



「はい。どうぞ。」



「ありがとうございます。」


私は静かに香水をテーブルの上に置くとカップを受け取った。そして一口飲む…。



「おいしい…。」



「良かった。」



私は微笑むともう一口飲んだ。準は余り喋らない。でも準の隣はなんだか凄く安心する…。



トクン──…



トクン──…



私の胸の音聞こえてないかな?
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