時間は流れているんだね
私と楓は図書室に行った。幸い生徒も先生も居ないみたいだ。私は楓の方を向いた。


楓はさっきと同じ泣き出しそうな表情のままだった。私は少し辛かったけど…はっきり言わなきゃ……だめだよね……?


楓は私の『特別』な人だから……。


たった1人の幼なじみだから……。


「楓……。私ね…好きな人が………。」


そう言いかけた私の口は楓の唇によって塞がれていた。目の前に楓の顔がある。私は驚いて固まってしまった。



「そんなこと言っても……無駄だよ……?

俺諦める気ないから……。

ずっと……


ずっと……


夢だけを見て来たんだ……。」


楓は唇を離してそう呟くと私を残して図書室を出て行った。






< 64 / 114 >

この作品をシェア

pagetop