時間は流れているんだね
いつの間にか放課後になっていた。

その後の授業は完全に覚えていない。私どうしたんだろ…。


ぼーっとしていた。


気付くと玄関からどんどんと人が出ていっている。


私も重い腰を上げスクールバッグを持ち上げた。


その時後ろから声がかかった。


「ちょっと夢!!
私を置いていく気!?」


振り返るとちょっと怒り気味な美里がスクールバッグを持って立っていた。


「…あ。ごめん。」


私が素直に謝ると美里はため息をついて「帰ろ。」と言った。その言葉に私は無言で頷いた。


私と美里は並んで教室を後にした。廊下にはまだ人がたくさんいてざわついている。


いつもなら私もざわつきの中に混じって居たけど…。今はそんな気分になれそうもない。


「夢。」


美里が突然話しかけて来た。


「何…?」


私が首を傾げると美里は私の足元を指差しながらため息をついた。


「あんた内履きのまま帰るつもり…?」


私は我に帰って周りを見渡すともう玄関に到着していた。


そして私は内履きのまま…。


「…あ。」


私が苦笑いを浮かべると美里は爆笑してきた。私も自然に笑った。


二人でお腹を抱えて笑った。


こんなに下らないことなのに無性に笑えた。


親友…美里パワーだね?
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