時間は流れているんだね
お姉ちゃんは私が余りにも勢いよく詰め寄ったため少し後退した。


「夢……落ち着こうね…?」

「落ち着いてられるか───!!!」


私はまるでちゃぶ台をひっくり返したような叫びを上げた。


「どうして?どうしてそんなにいきなり居なくなるの!?どうして何も相談してくれないの!?


ねえ……どうして……どうしてよ。


私たち姉妹じゃん。」


私は最後の方が涙声になりながらも言い切った。


本当はまだまだ言いたいこといっぱいいっぱいあるはずなのに…私はなぜか言えなかった。


私って臆病者だ。


「夢…ごめんね…?

そうだよね。私たち姉妹なのに…私ったら1人で抱え込んで……。

本当はもっと言いたいことあるんでしょ?」


私はお姉ちゃんの言葉に少し驚きながらも大きく頷いた。


「夢。ちょっと座って?」


私はまた頷くとお母さんの隣の椅子に座った。


「夢。改めて紹介するね?


この人が中野洋だよ。


私の2歳年上。」


お姉ちゃんが紹介すると洋さんがにっこりと笑った。

「こんにちは夢ちゃん。

中野洋です。

夢ちゃんと会うのは2回目だね?」


私はまた無言で頷いた。

分かってしまったのはこの人はいい人だということ。それととても優しいということ


分かってしまったはずなのに…まだお姉ちゃんを祝ってあげられない自分が酷く小さく思えて辛かった。
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