時間は流れているんだね
「夢…。

前に正谷の話ししたよね?

私ねもう大切な人と離れたくないの。

夢なら分かってくれるよね?私は夢とお母さんにはちゃんと理解して欲しいの。」


私は顔を上げてお姉ちゃんを見た。

その時見たお姉ちゃんの瞳は真っ直ぐで…お姉ちゃんの決意が現れていた。


私は何も言えずしばらく沈黙が続いた。


この重い沈黙を破ったのはさっきまで俯いていたお母さんだった。


「理香…。ちゃんと幸せになりなさいよ?」


私はその言葉に驚いてお母さんを見た。


お母さんの瞳もお姉ちゃんのように真っ直ぐだった。

お母さんも決意したんだね?


私も決意しなきゃいけない。


「洋さん。」


洋さんは驚いたような表情で私を見た。


「お姉ちゃんを必ず幸せにしてあげてね……?」


洋さんは綺麗に微笑んだ。

「必ず幸せにするよ!!!











ありがとう。」


多分、私はこの時のみんなの笑顔を忘れない。


真っ直ぐな瞳も。


お姉ちゃんの幸せそうな表情も。


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