時間は流れているんだね
「行っちゃったね…?」
「そうだね」
私と美里は空を見上げた。
雲ひとつない青空に白い機体がキラリと光っている。その後ろには真っ直ぐな飛行機雲が空にラインを引いていてなんだか落書きみたいに見える。
「2人ともー!!そろそろ帰るわよー!!」
「はーい!!」
お母さんに呼ばれ私たちは空港の中へ向かった。
私はふと立ち止まって首元を押さえた。
『夢も似合ってる。』というお姉ちゃんのあの言葉が嬉しかった。
私は今日あの空色のネックレスを身につけていた。お姉ちゃんはそのことに気づいてくれたんだ。
私はまた空を見上げた。そしてそっと呟いた。
「お姉ちゃん…ありがとう。幸せになってね…」