好きなんだ*部活恋愛*
≪友浩side≫

「最悪、雨降ってるし・・・」

教室から、校庭の方を見て
俺はぼそっと呟く。

テニス部の練習も、雨が降れば無くなるし
なんせ、あの子に会えなくなる・・・

あの子、っていうのは
先日から来てくれているうちのテニス部の
ファンの子らしき人物。
俺の一目惚れなんだけど・・・
うちの制服じゃなくて、近くの女子高の
制服を着ていて、純粋無垢な瞳で
テニスを見に来ている姿が印象的な子。

HRが終わり、俺は教室を出て
靴箱でぼーっと外を眺めながら

「傘持って来てねぇし・・・」

走るしかない選択肢に呆れながら
靴を履き替え、校門まで何も見ずに
とりあえず走った。

校門の前で傘をさしてる人がいて
驚き俺は後ろを振り返る。

「・・・あ」

「あ、」

女の子、俺の想い人が傘をさして
誰かを待ってるみたいだった。
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