kinglovers!
「何これ……俺、襲われてる?」


「あ、いえ…そんなつもりは…」


「とりあえず………新学期早々の遅刻者、発見」


「え!?」


「名前」


「はい!?」


「な・ま・え。聞こえなかったか?」


その人は私に押し倒されたまま、聞いてきた。


「百瀬きお……」


「あ、そ。どうでもいいけど朝から男襲うのはやめろよ?」


「お!?襲ってません!」


「見た感じ一年生だけど、始業式いいの?遅れたい?」


「あ!そうだ…」



名前とか勢いで言っちゃったけど、大丈夫だよね?

遅れたら大変だし…『これから始業式を始めます。一年生は列んで移動してください』




………!!??



「あーあ、遅れましたねー…」


「………」


「どうする?この学校、そういうの厳しいよ?」


「あ、あなたと話す時間さえ短縮されていれば…!」


「間に合った?」


「……」


頷く。
するとその人は起き上がり、余裕のある笑みを顔にうかべて言った。


「オーケー。ついておいで」


「!?」


腕を引っ張られるがままに私は走る。



学園内の庭、柵を飛び越えたり、茂みの中を走ったり……
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