kinglovers!
車は一軒の家に止まる。車からおりると、私は深呼吸をした。






覚えてる。


庭にあるあのブランコとか、観葉植物とか…


「なつかしい…」


「どうぞあがってください」


おじいさんは大きなドアをゆっくりと開ける。


「じゃあ、おじゃまします」


「おじゃましますだなんて。今日からは只今といって入ってもいいんですよ」


「そうですね…」


久しぶりにする、ぎこちない会話。
別に意識してこう喋ってるわけではないんだけど…

私とおじいさんは、ずっとこうした敬語で喋ってる。
敬語なんだけど、別に相手をつきはなす意味での敬語ではない。

だから私もあまり気にしてはいないんだけど…


普段敬語をつかいなれてない私にはちょっと不便かな?


「きおさんの使う部屋まで案内しますよ。こちらへ」


「はい…」


玄関をあけてすぐにある階段を使い、二階まであがる。

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