kinglovers!
廊下を歩いて突き当たり。

おじいさんがドアを開ける。


「ここです」


「わぁ………」


別にそんなに綺麗な部屋、というわけではないけれど問題ない。広いから使いやすいんじゃないかな。


「ここに荷物をおけばいいです。あとで引越し屋さんもくるでしょうし」


「はい」


「下でお茶でも飲みます?お腹はすいていませんか?」


「大丈夫ですよ」


「本当にですか?」


「…………」


「嘘はいけません。これからは一緒に住むのですから、我慢されたらこちらが困ります」


「…すいてます」


遠慮することに悪気はなかったんだけど、おじいさんの言葉に甘える事にした。


「そうですか。なんでも遠慮なく言ってくださいね?」


「はい、ありがとうございます」


「では紅茶でもいれます」


「あ、紅茶は…」


「どうかしました?」


「…………いえ……」


コーヒーとか紅茶は飲めないんだ。って言おうとしたけど、さすがにそんなことは言ってられない。
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