kinglovers!
一階におりて、言われたとおりに椅子に座るとおじいさんは紅茶を入れながらいった。


「で、高校はどこにするつもりなんですか?」


「……えーっと…全部いきなりだったものですから…あんまり考えてなかったというか…」


「ああ、そうでしたか。それもそうでしょうね。私も昨日聞きましたから。でもきおさんがくると聞いて、とても嬉しかったですよ」


「私も、久しぶりにおじいさんに会えると聞いてびっくりしました。まさかお父さんの失業のせいで会えるなんて思ってませんでしたけど…」


苦笑を浮かべる。
あ、そういえば…


「お父さんはいつ来る予定なんですか?」


「お父さん?…明さんのことですか。」


「はい…」


明とは私のお父さんの名前。お父さんも来るって言ってたよね。


「明さんは確か来ないはずでしたが…」


「んぐっ!」


この前に引き続き、またもや飲み物を噴出してしまうところだった。


「来ない!?」


「ええ…そう言ってましたが」


「ど、どうしてですか?」


「わかりませんが…別のところで一人暮らしをするそうです。迷惑をかけるのは悪いから…と言っていました。」


………嘘つかれた。
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