いつかどこかで…
日本酒飲みながら…タバコを吸う彼。
ちょっぴり酔っ払って彼に持たれた私。
タバコを消した彼は私をそっと抱き締めた。
『理沙…俺が離さなかったらお前は幸せになれない。奴となら幸せになれるのかとか…思ったりした。』
彼は…いつになく…思い詰めた顔をして。
『お前が、俺から離れる日が来ても、もう離してやれない』
『祐治…』
祐治の顔を両手で包んで、その唇にそっと口付けた。
『祐治…苦しめてごめんね。でも…愛してる…』
強く抱きしめ合った。耳元で囁く彼。
『奴に渡したくなくて、本当はここで二人で死んでしまおうかとも思ったんだよ…』
思わず彼の顔を見た。
『家族も捨てきれず、理沙も幸せに出来ないなら…あいつに連れ去られるくらいなら』
『祐治…いいよ。祐治と二人なら死ねる…』