いつかどこかで…
二人で死のうかと思ったと…言われた時、嬉しかった。


でもやっぱり、死んだら祐治の身体の温もりも汗の匂いも息遣いも…消えてしまうから嫌だ。


『理沙…離さない』

『離さないで…』


強く掴まれて胸を揉む彼の力…


身体を這う彼の舌…

私を溶かしていく、その指…

柔らかく私を包む唇…


『祐治…んんっっ…あふっ…』


私は何も出来ずにただただ、彼がすることに身を捩らせ、反らせ、喘ぎながら…何も考えれずにいた。


彼の腕の中で…溶けてなくなりそう。

身体中が熱い…熱いよ…祐治…


彼がゆっくりと入ってきた瞬間…全身が悦びに震えた。彼を待っていた。私は彼を待っていた。


『理沙…理沙…俺を見て』

朦朧とする意識の中で彼の声を頼りにさまよった。


『祐治…ああ…』

見つけた…靄のなかに彼を見つけて愛しい唇を吸った。

『理沙…しっかり俺を見て…大丈夫?』


向かい合って抱き締めた私の身体をしっかり支えて。私の唇を吸いながら…私を突き上げる。


『あっ…んっっ…んっ…はっ』


『しっかりして…理沙。愛してるよ…理沙』


『祐治…身体が…とけちゃう…熱いよ…』


『理沙…理沙…』


『ああ……っ』

悲鳴にも似た声で…私は…果てた。


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