いつかどこかで…
そんな気がしてた。

仕方のないこと。

『いいよ…また連れてきてくれるでしょ?』


精一杯の笑顔でそう言えた。

『ああ。』



帰りの車の中、楽しかった時間が終わるのが淋しくて…。


なぜなのかな。あっという間に海から遠ざかる。


昼前には…家の近くに…。

『なんか…お腹減った…』
私のワガママ……聞いてくれた。


二人で入ったカフェ。


ご飯にアボカドとトマト、チキン…おしゃれなどんぶりを二人で突いた。

朝からあんなに食べて、食べれる訳もなく…


時間は過ぎていく…


彼を長く引き留める訳にもいかない。


私は頑張って完食した。

車に乗って…。


これで二人の旅行は終わりなんだね…。


キスして、別れた。
彼の車が見えなくなるまで見ていた。


家に帰るなり部屋にこもってベッドに潜った。


ふと気になって携帯を開いて…。一応謙吾に謝っておかなきゃ。


メールも電話も無視してたこと…メールで謝った。


1分も経たないうちに電話が掛かってきた。


『…ごめんね謙吾。彼と…海に行ってたの。』


[あっそ。メールくらいしろよ。そんなに忙しかった?ああ。忙しかったんだな。だろ。土産は?]


『ないよ…。あっ!ネコ!』

携帯を持つ手が震えた。彼がくれたネコのぬいぐるみ…ベッドに座らせて…忘れてきてしまった!
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