いつかどこかで…
祐治と過ごした場所へ謙吾と向かう。


祐治が知ったらどう思うかな。

運転しながら、チラチラ私を見てため息つく謙吾。


『はあ…。俺はいつ一番になれるのかな』


『謙吾…私は祐治のものなの。やっぱり帰ろう…』


『違うよ。理沙の心の半分は…いや三分の一くらいは俺のだ。』


謙吾…。私は…祐治を愛してるんだよ。

沈黙のまま、車は走る。


『楽しかったか?』


『うん…』


また沈黙…


『料理はうまかった?部屋はどんなだった?』


『…古民家風で…お洒落でね。お料理も美味しかった。』


『理沙。俺も理沙と旅行に行きたい。』


『謙吾…』

謙吾は急にハンドル切って、脇の砂利道に入り込んだ。

車を停めるなり私にかぶさってきた。

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