いつかどこかで…
『…コーヒー冷めちゃったな。入れ直すよ』

立ち上がった彼の手を握った。

『いいよ。これ飲んだら…帰る。送ってくれる?』


私の手を外して膝に乗せた。


『入れ直す。後で送るから…』

謙吾はキッチンに立って笑った。


『理沙…スカート捲れてるよ…』


『あ…』

慌てて直す。


コポコポとコーヒー落とす音。


『理沙…風呂入る?』


『え?』

『泊まって行けよ。朝まで一緒にいようよ』


なんか、胸がキュンってしたけど…。

『謙吾。怒るよ。コーヒー飲んだら帰る。』

『わかったよ。怒るなよ。こえ〜な。鬼みたいな顔だよ…俺のこと好きなくせに』


口は悪いけどコーヒー入れるのは上手い。
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