いつかどこかで…
どうしていいのかわからなくて…謙吾に話したけど…やっぱり謙吾は優しかった。でも…もっと良く考えるべきだった。

謙吾はどちらの子でもいいから一緒に暮らそうとまで言わせてしまった。

『理沙。あいつにも話して。あいつの答えは決まってる。』


そうかもしれない。祐治…困るかもしれないね…。いや…失いそうで。怖いよ。


『謙吾も祐治も失いたくないの』


『理沙…あいつにも知らせるべきだよ。後で知れば苦しめるだけだ』


……………


『祐治…赤ちゃんが出来た…』

呼び出した祐治の車に乗り…すぐに話した。迷ったら…もう話せなくなるから。


祐治は車を出さずに…私を見つめた。


『理沙…』


『あ、あのね…どっちの子かわからないの…』

唇を震わせ…涙がポタポタと落ちた。
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