いつかどこかで…
祐治は優しく私の身体を抱き締めてくれた。


『苦しめてゴメン…。好き勝手に理沙を抱いて…無責任な事したな…』


彼には離婚出来ない何かがある。聞けないけど、それは仕方ない事。しかも…私から…彼を…不倫なんて道に引き込んだ。彼は悪くない。


『正直に…私の気持ち…話すね。生みたいの。どちらの子供だとしても。だから…私一人の子供として生ませて。』


『理沙…どうして…』


『愛してる人の子よ。生みたいの。でも祐治も謙吾も失いたくないの。こんな勝手な考え…間違ってる?』


祐治は黙っていた。

ながいながい沈黙の後に。


『俺を…無責任な男にしたいのか?いや…責任なんかじゃない。理沙。愛してる。愛してるから…お前を離したくない。』


彼の震える声に…私の決心は固まった。

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