いつかどこかで…
祐治と会った夜。彼の口から謙吾の事を聞いた。


月に一度のメンテナンスの度に総務にくる謙吾は、私の事を尋ねてきたんだって。


私を心配してるって。

夜、祐吾が眠ってから…電話してみた。


慌てた様子の謙吾の声。懐かしい。

『理沙っっ!心配したんだぞ!』

声が大きくて携帯を少し耳から遠ざけた。

『謙吾…ごめんね。心配掛けて…私ね、帰って来たの。』


すぐに会いにくると言う謙吾を宥めて…

『ダメよ…私ね…』

祐吾が顔を赤くして…今にも泣きそう…


『ちょっとまって…』

お布団をポンポンと叩いて…ああ、ダメ泣いちゃう

ふぇ…ふぇ…あーん あーん

『聞こえる?私ね、ママになったよ…。あ〜。ごめんね。また連絡するから。』

『理沙!理沙!』

電話を切って、祐吾を抱き上げた。
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