いつかどこかで…
話はしたし。私は祐治がずっと好きだって言ったから。


車のなかでの自分を思い出して…苦笑いした。あんなんで、祐治が好きだって言ってもね。バカみたい。


どうか…祐治からしばらく連絡がありませんように。

私って…謙吾のことを、好きになったのかな。


祐治が好きなのに、謙吾を拒めない。


抱かれたいって思ってしまう。

でも…愛しているのは祐治。

胸元を開いて、謙吾が付けたキスマークを指でなぞる。


私はどうしたいのだろう。
淫らなだけ?

謙吾が感じさせてくれるから、迫られて簡単に抱かれるの?

祐治との…目眩がするような気を失うような感覚とは違うけど、優しくて…普通の恋人みたいな感覚に…酔ってるのかな。


謙吾がもし一人だったら…私、どうしただろう。


離婚出来ない祐治と比べて…私は謙吾を選んだかな?


謙吾が独身で子供もいないなら…謙吾の奥さんになりたいと思ったかな。



ふと祐治の囁く声が

『理沙…愛してるよ』


身体中が熱くなる。胸が苦しくて…。祐治に抱き締めて欲しくなった。


祐治に…。
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