いつかどこかで…
謙吾の顔がすぐ近くに…。

『電話…設定しにくいから…ずれて…』


慌てて後ろに下がった。


『外線は問題ない?テストします』

謙吾がボタンを素早く押して…。私の携帯を鳴らした。

『え?な、何してんの…』慌てて携帯を切った。


隣の席からも前の席からも…注目。


たまらず私は廊下に出た。


廊下から中を覗くと談笑しながら机を回ってる。


『あは…。ですね。片山さん、俺の好きなタイプですから…』


はあ?あいつ…。ゆるせん。


暫く廊下で待ち伏せして、謙吾を捕まえた。


『待ち伏せなんて、嬉しいな。理沙…』

笑顔が…。まぶしい…。


『け、謙吾。』

『なに、咬んでんの。焦っちゃって。可愛いね』


なんか余裕な感じが頭にくる。

『何のつもり?皆に何か言った?』


彼はネクタイを少し緩めながら…


『何も。でも問題ないだろ。理沙は独身。俺も離婚する訳だから…じゃあね。総務にいかなきゃ…』


総務には祐治がいる…。何か言うつもり?もう…しらないっ。

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