いつかどこかで…
『理沙…愛してる…。理沙…』
何度も囁く謙吾


私も彼の耳元で…力なく囁いた
『謙吾…好きだよ…』

私の身体を折れるくらいに強く抱き締めた。


謙吾…好きよ。

でも祐治も好き。

どうしたらいいの?



私…二人とも…失いたくない。

二人を…愛しているのかもしれない。

同じように…


祐治を愛しているのに、祐治を失っては生きていけないのに…


祐治を想うこの心に、謙吾がすっかり入り込んでしまっている。
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