いつかどこかで…
私の身体を抱き締めた。
唇を何度も吸う…


応えない私の唇をそっと離した。



『わかったよ…。帰ろうか…参ったな。理沙が…あいつが好きだと泣く理沙までも可愛くて…。』


私の目尻の涙を指で拭いながら…目蓋にキスした。



いい子で待ってろ…祐治のメールを何回も読み返し。

いい子で待てなかった。


でも祐治は多分怒らない。
祐治は私だけの人じゃないから。


祐治が連絡をくれたのは、出張から戻って1週間も経ってからだった。


電話の声が…嬉しくて、愛しくて、嗚咽してしまった。


逢いたかった。祐治。


あなたに逢いたかった。
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