いつかどこかで…
[どうした?酔ってるな。]

[今ね、飲み会に出てるの。祐治に逢いたくなった]

言ったら後悔した。
[嘘よ…もうタクシーで帰るとこ。電話くれて嬉しい…]



[理沙…気を付けて帰るんだぞ。飲み過ぎてないか?]

[うん…タクシー来るまで話してていい?]


[ああ。いいよ…]

ドキドキする。逢いたい。でも…無理って言われるのが怖いから言えない。


[祐治…今何してるの?。]

[タバコ買いに出てきた…]


[そっか…寒いから早く帰らないと。タクシー来たよ…じゃあね…]


[じゃ。理沙、おやすみ…]

[うん。おやすみなさい]

電話を切ろうとした時…


[理沙…。]


慌てて携帯を耳に当てた。

[理沙、迎えに来て欲しかった?]

胸がドキドキして来た。彼の甘い声で…私の気持ちを見透かされて…


[タクシー…乗った?迎えに行こうか?]

『うん…来て…祐治…迎えに来て』

涙がポタポタと落ちた。

夢みたいだ。

早く来て…待ってる…
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