いつかどこかで…
『理沙…俺のさ。その…妊娠しないから。心配しないで…病院で言われたんだ。お墨付きだから。安心して』


頭をかきながら…告白した彼が…切ない…。


『あれ?驚かないの?…意味わかった?俺の精子…』

私は黙って謙吾を抱き締めた。言いたくなかったでしょうに、私が妊娠を心配しないように…言ってくれたのね。


『謙吾…』


『なに?理沙…慰めてんの?俺は子供作れないから…』


『謙吾…何も言わないで』

何故か謙吾の口は止まらない。


『あいつがさ、逢わない時は俺を呼んでよ。嬉しいから。理沙が俺に抱かれて悦ぶ姿見てると幸せだから…』


『理沙…俺も理沙を幸せには出来ない男だ…。全く、あいつも俺も…ごめんな』


やっと静かになった謙吾の唇を、私の唇でそっと塞いだ。


『私ね…二人とも好き…二人とも…大好き』


謙吾はそんな私を優しく抱き締めてくれた。


『俺だけにしてよ…。』

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