いつかどこかで…
次の日も謙吾にあった。


私は自分に言い訳していた。祐治が自由に生きろと言った。祐治は私を束縛しない。祐治は…家庭がある。


『ご飯食べようか…。理沙は何食べたい?』


いつも祐治にどこかへ連れていってもらうから、何食べたいかなんて…うーん。

『謙吾は何食べたい?』


『じゃあ…居酒屋行こうか!飲もう!』


微妙…。ま、いっか。


ワイワイガヤガヤの煙たい居酒屋で、お気に入りのコートがちょっと心配。


でも、お酒が入ると楽しくなってきた。

『祐治…あ、間違えた!謙吾〜』


『今名前間違っただろ?コノヤロ』

口に焼き鳥突っ込んできた。


『んんっ…』


『なんか…色っぽいね…』

顔を近付けてきた。キス…するのかなと思ったら、口に付いたたれを指で拭った。


ペロッと指を舐めながら…
『今キス顔になってたよ。期待しただろ』


嫌な事言うなあ。しかし…いつまでここで飲むつもりかな…。謙吾またビール頼んでる。


行かないのかな…ホテル。
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