きみへのおくりもの
加里奈はそう言って、職員室のほうへと走って行った。


関東総合病院・地下1F 売店でサッカーマガジンを買った神山聡は、車椅子を動かしてエレベータに乗った。
1階に到着すると、同じ年ぐらいの不良っぽい男が松葉杖をついてエレベータに乗って来る。
「リュウジさん、早く足ー治して下さいね。」
「おう。何か心配かけちまったみたいで・・・悪かったなっ」
「そんなのいいすって」
エレベーターの入り口で立ち止まって、扉が閉まらないように手をかけている。
いつまで話してるのやら・・・他人の迷惑っていうものを考えないのかね。この人は・・・
「じゃあな」
「はい、失礼しまーす」
ようやく話し終え、エレベーターの扉がしまった。
「何回ですか?」
ボタン表示の前に座っていたので、気を遣って声をかけた。
「押してあるからいいよ。お前いくつだ」
「僕も4階です」
「ちがうって、年だよ」
「あっ・・・今年で18です」「何だー 俺とタメか。お前、どこが悪いんだ?」
「ちょっと心臓が弱くて・・・」
「そっか・・・大変だなっ。じゃこれやるよ」
ガサガサっとビニール袋の中をあさって雑誌らしきものを取り出して、膝の上にポンッと載せた。エロ本だ。
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