きみへのおくりもの
「な・・・何ですか!?これ・・・いらないですよ!」
「遠慮するなって。センズリでもこいて早く治しちゃえっ」
そんな簡単に治るような病気じゃないんですけど・・
「俺、桜井龍二。渋谷でHELLS(ヘルズ)っていうギャングチームのヘッドやってる。この間、バイクですっ転んじゃって、足の骨折っちまってな。このザマだ。お前、名前何って言うんだ」
「神山聡・・・」
「よろしくな♪」
エレベーターが4階に到着する。
「じゃあなー」
リュウジは言って、エレベーターから降りて行った。
サトシも少し遅れて、エレベーターから降りた。
コン、コン、コン
和也はサトシの病室をノックした。しかし、返事はない。
「寝てるのかしら」
うんと加里奈の言葉に頷き
「サトシ、入るぞ」
と言って、病室のドアを開けた。
だだっぴろい個室部屋には、やはりサトシの姿はない。
「車椅子もないから、小便にでも行ってんだろ」
「車椅子がないと動けないなんて大変ね」
「ホントは歩けないほどの身体じゃなかったんだ。自分で歩くことさえやめちまった。クスリだって飲むのイヤがったり、メシもぜんぜん手つけないときもあるんだ。どんどん自分で身体を悪化させている」
「何余計なこと食っちゃべってん

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