きみへのおくりもの
だよ」
二人して振り向くと、小柄な身体がまた更に痩せ細ってしまったサトシが車椅子を動かして病室の中に入ってきた。
「どこ行ってたんだよ」
「売店」
和也はふとサトシの膝元に載せてあるエロ本が目に入ると、笑みを浮かべて、
「エロ本を買いにか〜♪」とサトシの目を覗き込んだ。
「あっ、いや、これは・・・さっきムリヤリ渡されたんだ。・・・」
「誰にだよ」
「エレベーターで会った変なヤツ・・・」
「おもしれェー言い訳するなぁ」
「言い訳じゃないよ!ホントだよ」
加里奈は二人のやりとりを見て、クスッと小さく笑った。
その時、病室にはもう一人来客が訪れた。
「おい心臓病、やっぱそのエロ本返してくれ。こっちのやるからよっ」
「だから・・・エロ本なんかいらないってば・・・」
「遠慮するなって」
リュウジは病室から持ってきたエロ本と交換すると
「じゃまたな」
と言って出て行った。
「誰?」
和也が怪訝そうな顔をしてサトシに尋ねる。
「さっき話しただろ。エレベーターで会ったヘンなヤツ。 今日はどうしたんだよ。彼女なんか連れてきて」
「えっ、彼女?あ〜そうだよ。俺の新しい彼女。ちょっとサトシに紹介しようと思って」
加里奈が口を膨らまして和也を睨んだ。
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