きみへのおくりもの
「って言いたいところだが、新しい担任の先生」
「はじめまして、中根加里奈って言います。ヨロシクね」
サトシは軽く頷いただけで、あまり歓迎しない表情を顕にした。
ちらっと向ける視線が頬に痛い。
ー何で担任なんか連れて来たんだー
目がそう訴えている。
わかっているよ。サトシ。表面上の心配しかしてくれない担任なんか信用できないんだろ。でも、いろいろ事情があったんだ。
「ちょっとジュース買って来るよ」
言い訳を整理するために病室を出て行った。

待合室にはさっきのヘンなヤツが長椅子に座って、煙草をふかしている。 どう見ても未成年にしか見えないのだが・・・
和也はそいつと一瞬目があったが、無視して待合室の前を通りすぎようとした。
「おい、待てっ」
いきなり松葉杖を突きだして、行くてを阻む。
「何か用ですか?」
「ちょっと座れよ」
言われた通り、隣に腰かけた。
「一緒にいた姉ちゃん、お前の彼女か?超マブいじゃねぇか」
「彼女なんかじゃないですよ。担任の先生」
「ウソ!?学校にはあんなマブな先公がいるのかよ。いいなぁ〜俺も学校に行っとけばよかった。まぁ、とりあえず飲めよ」
脇に置いてあるビニール袋の中か
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