きみへのおくりもの
「ごめんなさい。わたしも神山君みたいにずっと病院に入院してたことがあってね。何に対しても投げやりな見方しかできなかったの。何だかその頃のわたしと同じだなぁって思っちゃって・・・」
「先生と一緒にしないで下さい。僕は一生治らない心臓病なんです。この先、あと何年生きられるかもわからない。こんなふうにして生きていることだって、意味がないし・・・」
「だから何?」
「!?」
意外な言葉にサトシの顔が憮然とする。
「人は健康なら何十年も生きられるとは限らないわ。死は突然的に訪れるものよ。それが病気であったり、事故であったり・・・。どんなに短い命にだって生きていることに無意味なことなんてないわ。只、今を懸命になって生きて欲しいの。だから、自分の命が短いと思うなら、尚更その時間を大切にして」
「ぼ・・僕は・・・」
サトシは唇を噛み締めて俯いた。
その時、
「ピッピッピ〜♪♪♪〜 ピッピッピ〜♪♪♪〜 ピッピッピッピッピッピッピッ〜♪♪♪〜」
「何今の・・・」
「そ〜れ〜♪〜ピッピッピッ・・・」
「和也の声だ!」
次第に廊下から幾人もの看護婦の小走りする足音が聞こえてくる。
「そういえば、和也君・・・ジュース買いに行ったきり戻って来ないわねェ。ちょっと見て来るわね」
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