きみへのおくりもの

｢この･･･バカ者が!!!｣
教頭の怒鳴り声が耳をつんざく。
｢申し訳ありませんでした｣
和也と加里奈は学校の教育指導室で、教頭からお叱りを受けていた。
和也は昨日、病院の待合室でリュウジとビールを飲みながら酔っぱらって｢千歳台高校･三年Ａ組･山下和也歌います☆｣と大声で歌ったり、三三七拍子のリズムを取ってバカ騒ぎしていたら、看護婦に学校へ通報されてしまい、今に至っている訳である。
｢病院の待合室で患者とビールを飲んで騒ぐなんて･･･いったいどういうことだ!担任も一緒にいたそうじゃないか。話にならん｣｢申し訳ありませんでした。わたしの責任です｣ ひたすら頭を下げる加里奈の姿は、停学になるかもしれないという不安よりも心を痛めた。 結局、処分の方は担任にも責任があったとして、和也は一週間の自宅謹慎で済んだ。
それにしても二日酔いがこんなにもつらいものだったなんて･･･痛タタタタタッ

帰り道、和也は今度は加里奈に何度も頭を下げた。
｢もういいわよ。わたしにも責任があったし･･･｡けど、まさかジュース買って来るって出ていって、待合室でお酒を飲んでいるなんて思わなかったわ｣ 和也は頭をかいた。