きみへのおくりもの
サトシが希望に満ちた表情を見せた。
その姿を見て、サトシママがポケットからハンカチを取り出して
「サトシ・・・アンタは病院のベッドの上でただ寝てただけじゃないのね、ママの知らないところでこんな素敵な友達に囲まれていたなんて・・・」
言葉を詰まらせて、不意に浮かんだ涙を拭った。 香里奈はサトシママをじっと見つめていた。

その日の夕刻過ぎー
誰もいないリハビリルームで、サトシは今日自分の足で歩いた感覚を呼び起こして歩行練習をしていた。
もうサトシの中で答えは出ていた。
今、自分が何をすべきかを・・・
彼が流している輝かしい汗がそのことを物語っていた。
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