きみへのおくりもの
和也は部屋のベッドにゴロゴロと寝っころがりながら、昨日のことを回想していた。
「そうだ♪」
急に閃いたようにベッドから飛び降りた。
もう一度行ってみよう〜。あのショーウィンドーの前に。加里奈はまたあのウェディングドレスを見に来るかもしれない。い〜や、ゼッタイに来る。あんなに見惚れていたんだから・・・。
そう思うと、何だかまた彼女に会えそうな気がしてきた。
急いで着替えを始め、空模様が少し怪しいのも気にせずに銀座に向かった。

ショーウィンドーの前には、当然のことながら加里奈の姿はなかった。

「ハ・・・ハ・・・ハクション!」「おい、大丈夫か?」
1時限目前のちょっとした休み時間ー
クラスメートの篠崎守が、やや心配そうな顔をして言う。
和也は銀座で打たれた雨のせいで風邪を引いてしまい、始業式から3日目が経ってようやく登校したのだった。
「しっかし、和也が一目惚れね〜 でもムリムリ。早いとこ忘れちゃったほうがいい」
「何でそういうことを言うの〜君は・・・」
和也は自席で守に街中で出会った女性に一目惚れしてしまったいきさつを話していた。その感想がこうだった。
「だって、どこに住んでいるかも

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