ホワイト・クリスマス
────…


久々に全力で走った。

何をそんなに急いでるのか自分でもよく分からないけど。


「あ、いた…」

駅前のツリー前のベンチで本を読んでいる彼を見つけた。


あたしと目が合うと本をパタンと閉じる。


「来ないかと思った」


そう言って笑う彼の表情はどこか余裕があって。


絶対私は来ると思ってたんだと思う。


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