雨上がりの空
汗だくになっている隼先輩がいた。

「・・・どした・・・?」
息が荒く少し怖い顔をしていた。

「隼先輩・・・スイマセン・・・色々合って・・・」

「とりあえず何があった!!??」
隼先輩はそういって私の手を握った。

私の中でびっくりと緊張とドキドキが交差して何がなんだかわからない。

「なにがあったんだよっ!!!!!!!」

「あ・・・ぇ・・・・ちょぇ・・ちょっと階段から・・・落ちてしまい・・・」

「はぁっ!!!??ちょっとじゃねーだろ!!!??保健室行くぞ!!!!!」

隼先輩は私をお姫様抱っこした。

「ちょ・・・ぇぇぇぇええええええええええ!!!!????ひゃわっ・・ひょぇ・・・」

自分の顔がしだいに熱くなっていく。
それは先輩が私をお姫様抱っこしながら

「消毒液は冷たいし染みるぞぉぉ~。我慢しろよな。」

「痛かったろ・・・
 保健室行ったらシップ貼ってやるから覚悟しとけよ。冷てぇぞ~。」

とかなんとかいうたびにどんどん。どんどん熱くなっていく。
でも先輩の言葉は傷の治療薬みたいだった。

その治療薬はあったかくて染みなくてまるで魔法みたいな言葉の治療薬―。


歩くこと3分。保健室に着いた。

ガラッ

保健室には先生も誰も居なかった。
ツンッとする消毒液のにおいがする。保健室独特のにおいだ。

隼先輩は私を椅子に座らせてまず足にシップを貼った。
冷たい。
シップのにおいが保健室に広がった。
少し臭い・・・・。

そのあと足のすり傷などに消毒液を塗って私の頬に手の甲をあてた。
私は怒られると思って目を瞑っていた。
「これからは気をつけろよな。」
予想もしてなかった言葉に私は目を開くと隼先輩が微笑んでいた。

そのときの隼先輩の微笑みはまるで天使のようだった・・・



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