からふる・ぱれっと

---キーンコーンカーンコーン。


今日の授業が終わったことを告げるチャイムがなる。


チャイムが鳴るなり、皆はさっさと帰っていった。


放課後の教室に独りになった。


その時だった。


「黒木!」


山崎が息を荒くして、教室に入ってきた。


「ごめん!忘年会の詳細、言い忘れてた。」


山崎は顔の前で手を合わせて、謝ってきた。


「…それだけの為に戻ってきてくれたの?」


うちの為に…。


「黒木?!」


気付けば、無意識の内に泣いていた。


「えっ…あ、ごめんな?」


山崎は慌てて謝ってきた。


うちは横にぶんぶんと首を振った。


「…ありがとう。」


泣き顔で精一杯、最高の笑顔を作った。

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