からふる・ぱれっと

「ねぇ春希?」


「ん?」


「そろそろ『dear you』の本当の意味、教えて?」


ハルキは一瞬ドキッとした様子だった。


「前にも言っただろ?“愛しき君”だって。」


「だーかーら、愛しき君は誰なの?」


南が頬を膨らましてハルキに迫る。


そんな南を見て、ハルキのスイッチが入る。


「…悠愛に決まってんだろ?」


ハルキは南の腰を抱いた。


「ちょっと…!だからっ…?!」


南の口をハルキが塞いだ。


「…俺の愛しき君は悠愛なのに信じてくれないんだ?」


「そ、そういうわけじゃなくて…その、だからっ…?!」


また塞いだ後、ハルキは色目になった。


「…俺、悠愛の焦る顔好きなんだよね。もっと苛めたくなる。…襲うよ?」


ニヤリと笑うハルキに、南は顔を真っ赤にして固まった。

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