からふる・ぱれっと

朝飯を食って、少し話しをしてた。


「…帰ります。」


汐莉はそう言って寂しそうに笑った。


「駅まで送りますよ。」


「…ありがとうございます。」


近場の駅まで一緒に歩くことにした。



「そう言えば、あのフレンチトースト美味しかったです!」


「ありがとうございます。んじゃ、また今度お店に来てくださった時レシピあげますね。」


「…本当ですか!楽しみにしてます!」


こんな約束しても、きっと汐莉はもう店に来ない。


そんな気がした。


〜♪〜♪〜


俺のとは違う着信音が鳴った。


「あ、すみません。」


汐莉は電話に出た。


「徹…。」


相手は汐莉の男のようだった。


汐莉は話し終わり、電話を切ると、俺を見てきた。


「…徹があたしに戻ってきて欲しいそうです。」


「そう…ですか…。」


それから黙って歩いた。

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