からふる・ぱれっと

部屋に入ろうとドアを開けようとした。


だけど、荒々しい声が中から聞こえてきて、手を止めた。


「だから、いつになったら玲奈はアイツと別れるんだよ!」


「しょうがないじゃん。敦が別れないって言ってくるんだもん。」


「じゃあ、俺と付き合う約束なんてするなよ!」


「やだ。だって、玲奈は春希が好きだもん。」


「あ〜もういい!…帰ってくれ。」


「…分かった。」


女の人が出て来て、二人に私が居たことに気付かれた。


「南…。」


先輩は今にも泣き出しそうな顔だった。


今の女の人が先輩の好きな人?


しかも、彼氏持ち。


嘘だ。


嘘でしょ?


ねぇ、先輩、嘘でしょ?

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